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3話 正体バレ

Penulis: ニゲル
last update Terakhir Diperbarui: 2025-04-20 18:59:37

「良い動きだった。最近君の活躍はめざましいね。これは君のファンも中々できたんじゃないかな?」

ノーブルがこちらに駆け寄って来て賞賛の言葉を投げかけてくれる。

「いやいやそんなノーブルさ……」

「待て待て。わたし達は同列の仲間だ。序列なんて作りたくない。だからわたしのことは呼び捨てでってこの前言ったろう?」

「はい……!! でもノーブルにはまだまだ及ばないよ。こっちや先のことまで気を配ってて……目先のことしか見えてなかった私とは大違いだよ!」

「うん……そうだね……あ、それより一つ頼み事してもいいかな?」

表情から余裕の色が消え、申し訳なさそうにしながら頭を掻く。

「もうあんまり時間なくて、助けた人とか任せても良い?」

「うんもちろん! 今日もありがとね!」

ノーブルは一言こちらにお礼を言い足早に去っていきすぐに見えなくなる。

「えーっと、そこのお兄さん大丈夫だった? 怪我はない?」

戦いでよく見えなかったが、もし彼が動けない程の怪我をしていたら大変だ。私はすぐに彼の元まで向かい容態を確認する。

「け、怪我はないです……ありがとうございます」

青年は恐怖という鎖から解放され何事もなくスッと立ち上がる。だが表情は暗く笑顔が失われたままだ。

「待って!! えっとその……何か困っていることとか……あるの?」

キュアヒーローの使命はイクテュスを倒し"人々の笑顔を守る"ことだ。それなら私は後者の使命を果たせていない。

「いや何もない……です……その、ありがとうございました」

彼は壊れた自転車を用水路から引っ張り上げ、もう直せるはずもないそれを見て肩を落とす。

「あのっ……」

「あぁいやもういいよ。見た感じ高こ……中学生? 君は学校あるでしょ? ここからはヒーローがどうこうする問題じゃないから気にしないで」

「……はい」

実際壊れた自転車を直す術なんて持ち合わせていない。彼の悩みはそれだけじゃないように思えたが、深くは立ち入らせてくれなさそうだ。

(ヒーローの問題じゃない……か)

私は結局彼の笑顔を見ることなくこの場から去り学校への道に戻るのだった。

☆☆☆

「誰にも見られてない?」

「うんもちろん」

一限目の途中。テレパシーでコピー人形の私を学校の人目のない物陰に呼び出す。

「じゃ、おやすみね」

「うんおやすみ」

コピー人形は姿を元の小さな人形に戻し地面に落ちる。私はそれを制服の中にしまい教室に急いで戻る。

今日の一限は私の大嫌いな数学だ。授業を聞いていてもテストで赤点ギリギリなのに、授業すら聞かなかったら悲惨なことになる。

しかし戻った時には授業は半分以上終わってしまっており、内容はほとんど理解できなかった。

「うぅ……頭が痛い……」

私は給食を食べ終えてぐったりと机に伏していた。

「まぁ今日は高嶺が苦手な科目が詰まってるからね」

「そうだよー! 月曜日から数学、物理、化学が続いてるなんてキツすぎるよ~! 大体何で三角形の角度やら広さを求めないといけないのよ! あんなの将来何の役に立つのよ……」

私は憂鬱なこの一日に愚痴を吐き余計にない体力を消耗する。流石にキュアヒーローとしての活動をしてからこのハードスケジュールは堪える。

なにより今日助けた人が笑顔になってくれなかったことが一番心にモヤをかけていた。

別に私は見返りが欲しくてキュアヒーローをやっているわけではない。この街が好きで、みんなに笑顔でいてほしいからやっているのだ。だがその笑顔すら守れないのは自分自身の存在価値を否定されているような気がした。

(でも多分イクテュスや私達以外の悩みだったろうし……)

「まぁでも無駄だと思っていることも役に立つんじゃない? 親戚のお兄さんも意外なことが役に立ったって言ってたし」

「波風ちゃんの従兄弟の? 確か理系の大学行ったんだよね?」

私は数回会った程度だがあのインパクトは忘れない。何でも知ろうとする好奇心の強い……かなり独特な人だ。

「そういえばあの大学でキュアヒーローとイクテュスについても調べてるって言ってたわね。色んな人と協力しながら最先端機器も使って調べてるらしいわよ」

「え!? キュアヒーローについて!?」

「そうだけれど……どうしたのそんな慌てて?」

「え、いや……お、驚いただけだよ」

冷や汗が流れる。もしかするとそのうち私の正体を突き止められるかもしれない。

キュアリンからはキュアヒーローのことは絶対に誰にも知られるなと釘付けされている。知られれば確実に面倒事になり今まで通り迅速なイクテュスへの対応ができなくなると。

それは一番避けたい事態だ。私がバレても他のキュアヒーローは二人居るが、二人の場合場所的に間に合わなかったり人手が足りなくなることもある。

「ねぇ波風ちゃん……そのお兄さんに会わせてもらうことってできる?」

危ないかもしれないが一歩踏み出すことにする。より多くの笑顔を守るために。

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